グランクレストRPGリプレイ「この命に代えても」

 

注意点:この作者にはHTML作成技術とそれに伴うセンスはないです。

純粋な読み物としてお楽しみください。

 

また、このシナリオはオリジナルのものです。

 

 

GM:本日はよろしくお願いしまーす。

ALL:よろしくお願いしまーす。

GM:さて、本日はグランクレストRPGを遊ぼうと思います。皆さんの役割は事前にお配りしたハンドアウトの通りです。もう一度ハンドトレーラーを読み上げますね。

 

トレーラー

王国の女王であるエルリッサは、危機を迎えていた。

それは、大国ガルドエルからの圧力。それも到底受け入れられない「姫を差し出せ」と言うものだった。

逆らえば戦争は避けられないし、むしろガルドエルの狙いはそれだろう。

暴虐な王がいる。卑劣な軍師がいる。強大な軍がいる。

それで君たちは国を守り、女王の、そして姫の笑顔を取り戻すことができるのだろうか――。

グランクレストRPG「この命に代えても」

混沌を収め、聖印に至れ――

 

 

PC1 クラス:メイジ(サンプルキャラ:時空探索者)

因縁:カサハ 関係:好敵手 推奨感情:敵愾心

君は王国に仕え、女王に仕えるメイジである。

大国ガルドエルの王、ガルドエル2世から到底受けられない要求と脅しを受けた。

おそらく、大国との戦争は避けられないだろう。

そうなると、一番の懸念は敵の軍師カサハの出方だ。

奴はどんな汚い手も打ってくる。

それを防ぐのは他でもない君の仕事だろう。

 

PC1:はい、本日でTRPG自体が2回目でグランクレストは全くの初心者なのですがよろしくお願いします。

GM:いえ、事前に好きな本をお伺いして良かったです。ロードス島戦記とはありがたい。このゲームは「あのカシューやパーンになれるTRPG」です。

PC3:君が今日なるのはスレインだけどね。

PC1:それはそれで嬉しいです!

GM:では自己紹介をお願いします。

PC1→ヨハン:ヨハン・ローゼファ、29歳の男性です。名君のもとで生まれたのですが、君主としての才覚はなく、その代わりメイジとしての才覚を見出されエーラムに行きました。

GM:だが「非才」エーラムのスカウト員何やってんだ。

ヨハン:はい、非才の身ながら、なんとか努力で成り立とうとしていたところ、学舎が燃やされ路頭に迷いました。

GM:もう涙も涸れ果てるほどの悲運。

ヨハン:ですが、女王にそこで拾われ、「南のヨハン」と呼ばれるほどの軍師として成長しました。服装にはこだわらず。常にボロをまとっています。

GM:世話好きメイドとか出したい。

 

PC2 クラス:ロード(サンプルキャラ:剣の君主)

因縁:女王エルリッサ 関係:主従 推奨感情:尊敬

君は女王エルリッサに使えるひとりの騎士だ。

彼女は、王亡き後たった一人国を支えてきた。

その責任感と憂いは誰よりも君が知っている。

そして、彼女は命よりも大事な姫を差し出せとガルドエルから要求を突き付けられた。

到底看過できる話ではない。

君の剣にて決着をつけ、女王を君が救うべきだ。

 

PC2:よろしくお願いします。グランクレスト自体は昔ちょろっと遊んでました。

GM:割と顔見知りですね。

PC2→エドワルド:私の名前はエドワルド・クレスター。息子がいる34歳です。

GM:ほう、妻は?

エドワルド:それに対しての回答は私の生い立ちから、私は生まれは放浪民の出でして、この国に訪れた際、混沌のモンスターを倒したんですね。

GM:ほぉ、その際そのモンスターから混沌核を吸収したんですね。それは凄い才能だ。

 

基本的に聖印は世襲制である。それでも才能が必要なものだが、人によっては混沌生物を倒し、その核を吸収して聖印を作る精神力を持つ人間が出る。

めったにいるものではない。

 

エドワルド:その際、女王の旦那、そのころの王に拾われましてね。

GM:確かに今の女王は妃として入って戦死した王から聖印を受け取ってるんですよ。王の名前決めちゃいますね、ダンディルにしましょう。

エドワルド:はい、そのころのダンディルは結婚前だったんですが、エルリッサが嫁いできたとき……一目ぼれしてしまいまして。

GM:ランスロット。

エドワルド:そこは押さえましてもやもやしてたら、ダンディルから妻を紹介されて数年後。

GM:流行り病で亡くなって。

エドワルド:なんでわかった。

GM:テンプレだもの。

エドワルド:その後も重鎮として仕えてるわけです。

 

 

PC3 クラス:アーティスト(サンプルキャラ:永遠の戦士)

因縁:ガルドエル2世 関係:敵対 推奨感情:敵愾心

君は一度、ガルドエル2世に殺された身だ。

戦場での習いではあったとはいえ、あの耐えがたい痛みと屈辱は君の身を焼き続ける。

復讐の機会は来た。

君はガルドエルと戦うであろう王国にやってきて、王城の門を叩いた。

ガルドエルは非常に強力な剣士だ。

ただ、二度の負けは許されない。君はそう誓った。

 

PC3→クロード:わしの名前はクロード・ジェストンじゃけぇ。

GM:なんだそのけったいな広島弁は。

クロード:広島弁で喋り、赤い服を着て肩パッドのアンデッドじゃ。手首に傷を負うとってそこから血を噴出させて闘う。

クロード:昔、ガルドエルと戦うたんじゃが、卑劣な罠にかかって……毒でも盛られたんじゃろうか?殺されてしもうた。その後王国にやってきた。ガルドエルを殺せるなら何でもやるつもりじゃ。

GM:その時アンデッドになったんだな。……「力が欲しいか」って。

クロード:おう、ガルドエルが殺せるなら何でも持っていけ。

GM:「なら貰おう……300円」

クロード:安っ!?

 

軽いジョークである。

 

PC4 クラス:ロード(サンプルキャラ:嵐の乗り手)

因縁:”花園の姫”メリッサ 関係:主従 推奨感情:忠誠

君は”花園の姫”メリッサを守る一人の騎士だ。

彼女は、「この戦争が回避されるのなら、人が傷つかなくて済むのなら」と女王に訴えている。

だが君は知っている。気弱な彼女が日々震え、自分を押し殺していることを。

花園で無邪気に遊ぶ彼女の笑顔を取り戻したい。

君が剣を取る理由などそれだけで十分なのだ。

 

PC4→エル:エルと申しますが、偽名です。本名はラウラ・エボニーズ。女性です。年齢は27歳。

GM:このハンドアウトで女性なのか。

エル:小国を王から受け継がされようとした身なのですが、残念ながら兄からの裏切り、陰謀に会い、死んだものと扱われています。なので常に仮面をかぶって男性として振舞っています。

GM:すでにエモい。

エル:メリッサの国とは亡き父との因縁があり、こっそり拾われています。前の王とか一部の方以外私の正体は知りません。姫を守るため、この身に代えても尽力しようと考えています。

 

PC5 クラス:アーティスト(サンプルキャラ:銃使い)

因縁:PC1 関係:自由 推奨感情:自由

君は過去の因縁からPC1に呼び出された傭兵である。

腕前はPC1が保証する通りで、君は剣の腕を自ら自負している。

これから起こる戦いに、一人でも多くの武将が必要だと君は説明された。

君の前に積まれた金は、君が十分納得するものであった。

傭兵が信頼するのは、目の前に積まれた金貨の重さで十分。

君はそう考えている。

 

PC5→ツヴァルト:ツヴァルトと言います。女性で生まれは銃を作る村だったのですが焼かれ……。

GM:そりゃあ焼かれるわ。

クロード:焼かれるな。

 

グランクレストの世界は混沌と言う法則に支配されている。混沌が起こると災害が発生しやすく、これを混沌災害と呼ぶ。

これは、機械などの複雑な物には特に発生しやすい。そのためそのあたりの技術は通常は魔術都市エーラムが管理する。

 

GM:カサハが焼かなくてもエーラムが焼いたでしょうね。

ツヴァルト:でも、焼いたカサハを恨んでいます。いずれ村を復興しようと思っています。カサハが悪い。

 

カサハに対する風評被害が始まる。

 

GM:ここで各NPCを紹介しますね。

 

ガルドエル2世

ロード、マローダー。

豪快、豪傑で知られる暴君。

”英雄色を知る”の言葉通り、莫大な費用をかけ各国の姫を後宮に集める趣味を持つ。

大剣を使い、大軍を薙ぎ払うように戦う。

 

カサハ

メイジ、プロフェット

北の軍師と呼ばれることがある。南のPC1と比べられることが多い。

非常に卑劣な手段を使うことが多く、その反面、成果は高く上がっている。

ちょび髭に片眼鏡をかけた男。

 

エルリッサ

ロード、ルーラー。

王国の女王。PCたちが仕えるべきものである。

赤毛の女性で早くに王をなくした未亡人である。その聖印を受け取り、今まで国を守ってきた。

正直武にはあまり明るくない。王の残した娘を可愛がり、出来れば頼りになる王を求めている。

34歳。

 

メリッサ

ロード、メサイア。

王国の姫。PCたちが守るべきものである。

赤みがかった金髪の少女で、よく野山に出ては遊ぶのが好き。

草花や動物を愛する少女で、”花園の姫”と呼ばれる。

今回の戦争は反対で、自分がガルドエルの所に行けば収まると考えている。

17歳。

 

色々な協議の結果、我々の国の名前は自然が豊かなことから「ブルーフォレスト」に決まった。

リンゴとか美味しそう。

 

GM:ではPC1のオープニングシーンから始めます。混沌レベルは特に注釈がなければ「3」普通です。

 

混沌レベルはこの世界の混沌の濃さを表す。これが濃いと一部の魔法だったり、邪紋の能力が強くなる。

 

GM:では、このシーンではまず。玉座……いや、ここは円卓にヨハンは呼び出されます。

ヨハン:は、このヨハンめ馳せ参じました。

エルリッサ:うむ、座ってくれ。

GM:と言うと、彼女は一通の書状を取り出します。ガルドエルの国からですね。

エルリッサ:先ほど届いたものだ。これには「メリッサ姫を後宮に差し出すこと」「出来なければ戦争も辞さない」事が遠回しに書いてある。

ヨハン:カサハがやりそうなことですね。到底許せることではない。

エルリッサ:私も許せることではない。開戦は避けられないだろう……だが、勝てる見込みは正直薄い。私はそれでもメリッサを守りたいのだ。

エルリッサ:頼む……ヨハン。君にしか頼めない。この戦いを勝利に導いてはくれないだろうか。

GM:そう言ってエルリッサは頭を下げます。

ヨハン:頭をお上げください我が主よ。わが身はもとよりこの国の臣民のためにあるもの。当然の働きをするまでです。

エルリッサ:ヨハン……。

ヨハン:それよりもお命じ下さい。貴方はそういう立場なのです。

GM:エルリッサは頭を上げ、毅然とこう言います。

エルリッサ:我がメイジヨハンに命ずる。必ずや勝利をもたらし、そして、生きてその任を遂げよ。

ヨハン:必ずやご期待に沿えましょう。

 

しかし、ヨハンが扉の外に出ると過去の記憶が襲ってきた。常に奴の手の上で転がってきた。

高笑いを浮かべるカサハの声が聞こえる。

「今回も無駄に私に挑むつもりかね? クククククク!!」

ヨハンはそれを振り払って、戦争の準備に戻った。

 

GM:次はPC2、エドワルドのシーンです。エドワルドはエルリッサの自室に呼び出されます。

ツヴァルト:へぇ、ここで自室。

エドワルド:エルリッサ様、何の御用でしょうか。

GM:エルリッサは何か吹っ切れた様子で君に言います。

エルリッサ:先ほどガルドエルに宣戦布告をした。開戦は避けられない。

エドワルド:なるほど。改めて身を引き締めます。

エルリッサ:無茶な願いだと思うが、メリッサは私の大事な娘だ。それと同じくらい、このブルーフォレストの民も守りたい。

エドワルド:はい、このエドワルドも同じ気持ちです。

エルリッサ:そこで、重鎮の一人であり、ダンディルの代から騎士の任につくお前に頼みたい。……ブルーフォレストを頼む。

エドワルド:はっ、この命に代えても。

エルリッサ:いや、それではダメだ。……必ず生きて帰ってきてくれ。

エドワルド:そうでしたな。と、笑いましょう。エルリッサさん、良い女だ。

 

GM:次はPC3、クロードのシーンです。クロードは戦場の中にいますね。

クロード:戦場の中、ガルドエルと対峙しているわけですね。

ガルドエル:ぐははははは!! うちの武将を倒すとはなかなか気骨のあるやつだが、手負いと見える、もう足も動くまい!!

クロード:それでも根性は見せにゃあいけんのじゃ。せめて喉笛にかみついちゃる。

GM:ガルドエルは、薙ぎ払うように君の首を手足を落とします。

クロード:ダメじゃったか……。

GM:そこで君に声が聞こえるのです。「力が欲しいか?」

クロード:勿論じゃ。

GM:「どんな代償を払ってでもか……?」

クロード:ガルドエルを倒すためなら、何でも持って行け。それで力が手に入るならなんでもするわい。

GM:「良いだろう、今日からお前はアーティスト……アンデッドだ!!」

 

それから数年の月日がたち、クロードはブルーフォレストの門戸を叩いていた。

 

クロード:ここがブルーフォレストか。ガルドエルと戦争をすると聞いちゃが。と、兵士に言います。

GM:兵士は「なんだお前は……」と訝しみますが、君を見て「お前は各地の戦場で名を馳せているクロードではないのか?」とある老将が言います。

クロード:わしの名を知っとる奴がおるのか、話が早い。ガルドエルと戦わせろ。

GM:老将は「ふむ、奴はよほど恨まれると見える。良いだろう、入れてやれ。100人隊長にしてやる」

クロード:話が分かるやつがおって助かる。この期待にゃあ答えるけぇな。

GM:最後に老将は「これは……ひょっとするとひょっとするかも知れぬぞ」と言うわけです。

 

 

GM:次はPC4、エルのシーンです。

エル:はい。どんなシーンでしょう。

GM:君はですね、廊下でエルリッサにメリッサが食い下がって何かを言っている場面に出くわします。しばらく続くのですが、エルリッサはメリッサを振り払って行ってしまいます。メリッサはそのまま尻もちをついていますね。

エル:では、寄って助け起こします。事情を聴こうとしますが……。

GM:いえ、内容に関しては聞くまでもなくあなたには心当たりがあります。

エル:ガルドエルに嫁ぐ話か……。

GM:そして、メリッサは聞いてもその理由を答えないだろうとわかりますね。

エル:では僕から行きましょう。姫、あなたが無理をする必要はない。ガルドエルにあなたを行かせないのは、女王の決定ですし、臣民の総意です。

メリッサ:エル……あなたもですか?

エル:勿論です。僕は姫を守り通す義務があります。

メリッサ:でも、怖いのです……! 私のせいで民が、誰かが傷つくのが……。

エル:大丈夫です、僕が守り抜きます。誰一人として欠けさせません。

 

メリッサは必死に押し殺したように黙る。心の中で「本当はあなたに一番傷ついて欲しくないのに」という思いを押し殺して。

 

GM:最後のPC5ツヴァルトのシーンです。

ツヴァルト:はーい、私はどんなシーンなんですか?

GM:……このシーンはツヴァルトがヨハンに呼び出されて依頼を受けるシーンなので……GMは口が出せないんです。

ヨハン:えっ。

 

初心者には厳しいシーンだったと心から反省している。

 

ヨハン:じゃあ、場所とかどうしましょう。

GM:もうヨハンが呼び出してる体なので城の中とかどうでしょう。

ヨハン:では、私の自室に呼び出しましょう。

ツヴァルト:お、信頼されている感じ。

ヨハン:やあ、ツヴァルトあの件以来だな。と、肩をバンバン叩きます。

ツヴァルト:ヨハンも元気か! なんだ、ずいぶん出世したじゃないか。

 

いきなり仲がいい設定が生える二人、僕はこういうノリのいいPLが大好きである。

 

ヨハン:だが、今日は酒を飲みに誘ったわけじゃないんだ。

ツヴァルト:わかっている。ガルドエルの話だろう?……私も村を焼かれた身だ。ここは仇を討ちたい。

ヨハン:こちらから可能な限りの報酬は用意しよう、任せられるか?

ツヴァルト:渡りに船だ。

 

二人は頷き、お互いの命運を共にする握手をした。

 

GM:OPが終了したので次はミドルフェイズに移行しますね。第1シーンは特使がやってくるところです。

クロード:特使?

GM:はい、敵の軍師カサハがろくに護衛も連れずにやってきます。

ツヴァルト:今のうちにやってしまうか?

ヨハン:いや、ダメだろう。何の策もなしに来そうにないし。

カサハ:やあ、今日はエルリッサ女王にお目通り願いたい。我々は別に争うつもりなどないクククク!!

カサハ:我々はあくまで融和、協調のための婚儀を申し込んだまでだ。それを突っぱねていきなり開戦など酷いではありませんか。だから、話し合おうと思いましてね。

ヨハン:貴様と話すことなど何もない。女王もお目通りしない、帰れ!

カサハ:”南の”なんと一方的な、これは義は我々にあると言わざるを得ませんな!!

クロード:ヨハン、何か口添えしようか?

ヨハン:いえ、私が。義などくれてやる!!とっとと帰ることだな!!

GM:そこでエルリッサがここへやってきます。

エルリッサ:それはたいそうなご挨拶だな。ガルドエルの軍師殿。残念ながらそのような申し出は受けることはできない。あまりにも一方的だろう。今日はお帰り願いたい。

カサハ:クククク!!分かり申した。では、近日中に大軍を連れて出直すとしましょう。そうそう、エルリッサ様。ガルドエル様から戦争に勝った暁にはあなたを下賜させていただくことが決まっておりましてな……!!

エドワルド:床板を踏み抜いて黙らせます。

カサハ:怖い怖い!!ここには野生のイノシシでもいるようだ!!殺されてはたまらないからここは退散しよう。

ヨハン:と言うか〈ライトニング〉を撃ちたくて仕方ないんですが。

一同:やめろー!!

 

カサハは笑いながら帰って行った。彼の行なった行為は、いわゆる挑発だろう。

 

ここで一同はプレッジシーンに入った。

因縁や誓いなどを取っていく。「ブルーフォレストを守る」誓いが全員共有となった。

 

GM:次のシーンはエルリッサからそのまま言付けられます。

エルリッサ:諜報の話によると実は、カサハはすでに動いている。

GM:と言うわけで、以下のことがこれから起こります。

 

水路に毒(治療12)放っておけば部隊が一つ減る

食料庫に放火(知覚12)放っておけば部隊が一つ減る

守備隊の買収(話術9)放っておけば部隊が一つ減る

暗殺(武器系技能12)放っておけば部隊が一つ減る

混沌災害を起こす(混沌知識11)放っておけば部隊が一つ減る

 

GM:横の()は判定とその目標値です。放置しておくと、最終戦闘であなた方に与えられるはずの部隊が減り、部隊を持ってない方は「部隊崩壊状態」で戦ってもらうことになります。

 

部隊崩壊状態は非常に危険だ。与えるダメージ20点減り、受けるダメージが20点増える。しかもダイスが一つ減るので「ほぼ死亡」と思っていい。

 

クロード:放置しておくと、と言うことは失敗したら、ではないのか。

GM:はい、失敗しても何度でもチャレンジしていただいても良いですし、どの判定を誰が何度やっても良いですよ。

エル:優しい。

GM:ただし、失敗した方はその場で最大HPを10点いただきます。HP0になったらその場で戦死扱いにしますね。

エル:優しくない。

 

この恐ろしさは一番判定で活躍できそうなヨハンのHPが30ぴったりと言うところ。また、HPが減った状態でクライマックスを迎えるのも避けたい。

迂遠に「失敗できない」となっているのだ。

 

GM:さらに、逆にあなた方が作戦を仕掛けることもできます。これを行うと相手の部隊が一つ部隊崩壊状態で戦闘スタートできます。

 

敵兵の説得(聖印10)成功すれば相手を崩壊

一騎打ち(力技11)成功すれば相手を崩壊

虚偽の情報を流す(情報収集9)成功すれば相手を崩壊

夜襲を行う(軍略知識11)成功すれば相手を崩壊

 

ツヴァルト:ひょっとしてこれも?

GM:はい、失敗したら最大HPを10点減らしてください。

 

ここで一同多少考えるが、口火を切ったのはこの男だった。

 

エドワルド:なにはともあれ 暗殺(武器系技能12)を防ぐよ。これなら楽勝で〈重武器〉3D6で6以上。……16、成功。

 

禁じられているはずの暗殺行為が、わが軍の重鎮に迫る。

凶刃がベッドの上で安らかに眠る老人の喉元へ突き付けられ。

 

一同:老将ーーーーーー!?

 

エドワルド:こうしてはいられん。「エルリッサ様、城を多少傷つけます」と、謝って壁を突き破りながら乱入します。

GM:暗殺者は驚いたようで逃げようとしますが、哀れ取り押さえられますね。カサハの手のものでした。

 

一同:次はだれが行くか……。

エル:はい! 一騎打ち(力技11) してみたいです!!

 

一騎打ちは若干(ほんの1差)でクロードが得意だが、チャレンジさせないと言う手はない。なによりこのプレイはそんなに判定が厳しくないので皆エルに任せることにした。

 

GM:では、猛将が方天戟を振り回していますね。「この三国一の猛将、誰の挑戦でも受けて立つ!! もし破れることがあれば軍を引いてやろう!!」

エル:ブルーフォレストの騎士、エル、参ります。と剣を抜きますね。

GM:「その程度の細腕で何ができるかな?」と煽ります。

エル:黙らせてやる、2D6で5が出れば……。

 

あわれ、4。

 

GM:ヨハンさんあなたは〈プレヴィデクトビジョン〉と言う魔法が使えます。これは1シーンに2回まで(スキル効果で増えてる)対象に振り直しをさせることができるんですよ。

ヨハン:おお! では使いましょう。エルの元に刃が来た時に時間を止めます。

エル:かたじけない……!!とうっ!!

 

あわれ、1ゾロ。

 

GM:同じタイミングで同じスキルは一回こっきりなので失敗です。エルは最大HPを10点減らしてくださいね。

エル:くっ……!

 

クロード:若造を一人やった程度で粋がってもろうちゃ困るな。と立ちふさがりましょう。……16、成功。

GM:では、仇は取られました。「さすがクロード、戦場に名を響かせただけのことはある」

クロード:エル。お前はもうちょっと食え、鍛えろ。

エル:はい、そうします……。

 

 

ヨハン:じゃあ水路に毒(治療12)やっちゃいますね。……18、成功です。

GM:では、カサハが上流で毒を撒いて砦を一つ機能不全に陥れたのですが、あなたの治療薬の到着で事なきを得ました。

ヨハン:カサハめ、相変わらず卑劣な手を使いやがる……。

 

ツヴァルト:じゃあ順番だし食料庫に放火(知覚12)行っちゃいまーす。……14で成功。

GM:いや、順番気にしなくていいんだけどね。……では、君はカサハの陰謀で食料庫に火を放とうとしている者を……

ツヴァルト:(銃を撃つジェスチャー)

GM:……射殺しました。別に、捕らえてもよかったんだけど(笑)

ツヴァルト:あ……ぱ、ぱーん。

 

誤魔化すな。

この後も順調に判定を進めていき(出目7とかを要求される判定はだいぶ怪しかったが)被害ほぼなしで判定を終了させることができた。

 

GM:これで敵は全員部隊崩壊状態です。そちらに後で部隊を配りますね。

クロード:……なんか、うまく行きすぎてる気がするなぁ。

 

クロード、さすがベテラン。その感覚は正しい。

 

GM:次のシーンです。エルのシーン。夜、か細いノック音がします。

エル:さすがに夜は仮面外してたでしょうから、慌てて仮面をつけてドアを開けましょう。

GM:では、そこにいるのは、俯いたメリッサ姫ですね。

エル:どうしたのですか?姫。

メリッサ:あなたが戦場で傷ついたと聞いて……。

エドワルド:あ、さっきのシーンで判定に失敗したからか。

ツヴァルト:うわ、健気。エモい。

エル:この程度の怪我、怪我のうちに入りません。

メリッサ:……本当は、誰にも傷ついて欲しくない。それは本当です。もちろん、あなたにも。

エル:姫?

メリッサ:だけど、怖いのです……本当はガルドエルの所になんて行きたくない。

エル:勿論です、我々は、いえ、私はそのためにここにいます。

メリッサ:違うのです。本当は……本当はあなたのもとにいたいのです、エル!!

GM:そう言って、メリッサは君に抱き着きます。

エル:……参った。

 

その通り、エルは男装した女性である。だが、それを打ち明けるわけにもいかない。

 

エル:姫、私とあなたでは、身分が違いすぎる。……諦めていただきたい。

 

だから、これがエルの出した答えだった。

部屋から駆け出すメリッサ。その頬には涙がこぼれていた。

 

エドワルド:若いなぁ。

クロード:若い恋だ。

 

GM:次のシーンです。大体の作戦が片付き、あとは決戦を待つばかりの状況でエドワルドはエルリッサに呼び出されます。

エドワルド:何かご用でしょうか?

エルリッサ:そう固くなるな、こんな時くらい、少しだけ許されると思ってな。

GM:そう言って彼女は自分の杯と、君の杯を用意し、そこに酒を注ぎます。

エドワルド:そうですね。と言って、乾杯をしましょう。

 

しばらく、酒を楽しむ、無言の空間が続く、互いの杯が空になったころの話だった。

 

エルリッサ:実はな、君に話しておくことがある。

GM:エルリッサは、沈痛な面持ちで話します。酒が口を軽くしたのか、彼女は自分の気持ちを吐露します。

エルリッサ:私は、夫が戦死してから、この国を背負う重圧を背負ってきた。だが、私も限界だ……私はもとより、そんなに強い女ではない。

エドワルド:エルリッサ様……。

エルリッサ:メリッサに譲ろうと何度か考えたが、あいつはあいつでそう強い人間ではない。何より、好いている男がいるしな。

エドワルド:好いている男、ですか……?

エルリッサ:騎士のエルだ。お前も知っているだろう?

エドワルド:あー……ってなりますね。ところで私はエルの正体について知っていていいんでしょうか?

エル:一部の重鎮なら知ってそうですね。特にエドワルドさんは前の代からの騎士ですから。

エドワルド:なるほど、なら、エルについてはどう思いますか?って聞きましょう。

エルリッサ:真面目過ぎるきらいがあるが、良いやつではないかな?任せてやってもいい。

エドワルド:エルに国を任せるのですか?

エルリッサ:いや、それも良いと思うが、私としては……聖印を、国を、民を任せるとしたらあなたなのだよ。エドワルド。

エルリッサ:どうか、私の聖印を受け取ってはくれないだろうか。

エドワルド:少し考えて、良いですが……一つだけ条件があります。

エルリッサ:勿論だ。何でも言ってくれ。

エドワルド:あなたが欲しい。

エルリッサ:……あなたが望むなら。

 

そう言い、エドワルドにエルリッサは寄り添った。

 

GM:これ、この後のシーンは良い子には見せられませんね、と言うわけ訳で朝スズメが鳴くシーンに飛びます。

 

GM:次のシーンはマスターシーンです。決戦の前日、メリッサがエルリッサに呼び出されます。

一同:お?

エルリッサ:この戦い、今は良い方に進んでいますが、それでもガルドエルは強力。いつ負けるかはわかりません。

メリッサ:はい……。

エルリッサ:だからあなたに、これを渡します。

 

エルリッサは懐から守り刀を取り出した。飾り気こそないが、良い物だとわかる。

 

エルリッサ:もし、あなたが危機に陥り、その後の未来に耐えきれそうにないのなら……。

 

「自刃しなさい」エルリッサはメリッサに冷たくそう告げた。

 

一同:うわぁ……。

ツヴァルト:うん、でも、言うよね。しょうがないよね。

 

GM:では、次の……

エドワルド:あ、軽くシーンが欲しいんですけどいいですか?

GM:了解です。どんなシーンでしょう?

エドワルド:エルに軽く言うだけです。廊下か何かですれ違う時に。

エドワルド:あまり姫を悲しませるんじゃないぞ。

エル:……努力します。

 

エドワルドから見れば、エルはまだ「幼い」思うことがあるのだろう。

 

GM:では、老将が「若い恋ですな」と言う。

エドワルド:爺さんなんで知ってるの?

GM:え?この国の古くからの重鎮は知ってるんでしょう?

 

知らないはずがない。しかし老将便利だな。

 

 

決戦は夜に行われる。

敵兵の到着は遅れており、敵本陣には少数の兵士しかいない。

だから、やるなら今だ。

だが……。

 

GM:次のシーンです。今の説明の通りですが、このタイミングで報告があります。

伝令:我が城に向かっている部隊があるということ。

ヨハン:城を直接落とそうというのか?

GM:いえ、ヨハンならわかるでしょうが、それほどの兵力ではありません。あなた方が対処すれば間違いなく蹴散らせます。敵はそれが目的だということも。

クロード:時間稼ぎか。

GM:はい、あなた方の作戦は今このタイミングで、行わなければ成立しません。具体的には敵兵が部隊崩壊から回復するでしょうね。

 

一同は考え込む、一度は部隊を分けるかと言う話もあったが、すぐに棄却された。それでは意味がないのだ。

 

GM:そこでエルリッサから声がかけられます。

エルリッサ:お行きなさい。多や少の時間くらいなら、私が稼ぎます。

 

武には明るくないエルリッサは、鎧姿でその場に現れた。決して多くない兵も見える。

 

エドワルド:ですが……。

 

老将:それだけでは足りますまい。この老骨、少しながら兵をかき集めてまいりましたぞ。

 

一同:頼りになる!

 

GM:そこにメリッサが駆け寄ってきます。エルリッサは「あなたは隠れていなさい」と言うのですが……。

 

そこには、ぎこちない鎧姿のメリッサがいた。逃げるはずにつけた親衛隊の姿もある。

 

メリッサ:いいえ、お母様。私も戦います。皆が戦っているのに私が逃げるのなんて嫌です。何より……戦うための武器をくださったのは、お母様ではないですか。

 

自刃するための守り刀を武器として、彼女は帯びていた。それは覚悟の現われであった。

 

ヨハン:これはもう、行くしかないな。

エル:ここで行かなければ騎士の名が廃る。

クロード:なに、ここが落ちるまでに帰ってくればええだけのこと。

ツヴァルト:勝てる戦いを捨てる手はないですね。

エドワルド:我々5名、今より戦に参ります。

 

一同:必ず生きて帰ります。

 

ここで5名は全員共有の誓い「必ず生きて帰る」を取得し、各々メリッサやエルリッサを守る誓い。カサハやガルドエルを倒す誓いなどを取得した。

また、ここで各自に部隊を配った。配った部隊は

ヨハン:レベル1歩兵

エドワルド:レベル1騎馬兵

クロード:レベル1盾兵

エル:レベル1装甲騎兵

ツヴァルト:レベル1弓騎兵

となる。

 

一方、敵本陣。

カサハが沈痛な面持ちで「時間稼ぎのほう、失敗いたしました」とガルドエルに言う。

ガルドエルは、侍らせていた女を振り払うと、久しぶりに、見たことがない笑みを浮かべて言う。

「そうでなくてはいかん。お前が小賢しい真似をすると楽だから任せていたが、たまにはこうでないとな」

と、大剣を抱え上げる。

「せめて、少数の部隊は我が王に集めたいと思うのですが……」と、カサハが言うと。

「あぁん?お前、俺に部隊なんていると思ってんのか?」とガルドエルは返した。

「左様でございました、我が王よ」と、カサハは、膝をつき笑うのだった。

 

GM:では、クライマックスです。本陣にたどり着いたヨハンにカサハが声をかけます。

カサハ:よくも色々とやってくれたな。

ヨハン:やられたことをやり返しただけだ。

カサハ:ふん、ようやくここまでたどり着いたか。それで良い。だが、お前たちはここで終わりだ。

GM:そういうとカサハは下がり、ガルドエルが前に出ます。

ガルドエル:久しぶりに面白い連中を見た。……どうやら死にぞこないもいるようだ。これでこそ我が覇道、極め甲斐があるというものだ!

 

ツヴァルト:いや、ここで終わりだ……故郷の仇を打たせてもらう。

クロード:貴様を殺すために何でもやってきた、必ず貴様を殺す。

エドワルド:何が何でもその覇道、打ち砕かせてもらうぞ。

エル:姫のため、国のため、私はここで負けるわけにはいかない。

ヨハン:我々はただ勝つだけではない、皆、必ず、無事で戻るのだ!!

 

セットアップ、ヨハンは〈混沌操作〉で混沌レベルを3から4に上げた。〈ライトニングボルト〉の威力を上げるためだ。

エルは〈王騎の印〉で攻撃力と行動値を大幅に伸ばし、エドワルドは〈光炎の印〉で武器に炎熱を追加する。クロードは〈破壊の血爪〉で火力を伸ばした。

一方のカサハは〈混沌操作〉で混沌レベルを下げようとしたが、失敗。やはり部隊崩壊状態は厳しい。

 

また、次のイニシアチブフェイズでヨハンは〈ライトニングチャージ〉でエルの武器に炎熱を追加した。

 

ヨハン:最初の行動、ではまっすぐ巻き込めるのでカサハとガルドエルに〈ライトニングボルト〉を……。

クロード:待って、その魔法自分のスクウェアも巻き込むから一歩前に出ないと全員巻き込んじゃう。

ヨハン:あ、じゃあ一歩前に出て……魔法使いが前に出て大丈夫ですかね。

クロード:カバーリングは届くから問題なし。

ヨハン:では、〈ライトニングボルト〉!! 結果は……21!!

GM:カサハは1D6じゃどうにもならない。ガルドエルも17で失敗。

ヨハン:ダメージは炎熱で39です。

 

カサハのHP60、部隊崩壊で20点追加して59、残りHP1。

 

ツヴァルト:カサハらしい(笑)

エル:これ、絶対味方とか盾にして生き残ってますよ。

 

GM:では、味方の死体から身を起こしたカサハが〈簡易魔法儀式〉からの〈スリープ〉……20だ。

一同:おっ。

クロード:げっ!!やばい!!これだけはみんな抵抗しろ!!

 

グランクレスト歴の浅いほかのPLと、ベテランのクロードでは反応が違う。

それもそのはず。ラウンド中1Dダイスの減る「放心」のバッドステータスはまだいい。だが……。

 

クロード:「硬直」は食らってしまうとマイナーアクションで回復するまで移動ができない。移動しなきゃ攻撃が届かない!全員のこのラウンドの行動が潰されるぞ!

 

クロードの警告により全員天運を2~3点消費して抵抗する。なお、このラウンド行動済みのヨハンは普通に失敗した。もう彼があの位置から動くこともないだろうし。

 

カサハ:くっ、この私の秘中の秘が。

クロード:十分機能してるよ。1点でも残したのが痛かったな……。

 

ツヴァルト:続いて私です。フルコンボだと移動しながらダイスが増やせるので〈五月雨の矢〉天運は無くなりますがこれで4体巻き込めます。もちろんカサハとガルドエルも。

 

これでカサハは死亡。周りの弓兵も多少ダメージを受ける。ガルドエルは少しだけダメージが通った。

 

ツヴァルト:か、硬い……。

GM:まぁ、行動値2だからね。鎧着込んでるよ。

 

エル:では、私が行きます……! 同様にフルコンボで23で命中!!

GM:直接ガルドエルに切り込んできたか。15で当たった。

エル:ザコの相手をしてたらガルドエルにひどい目にあわされると思いまして。攻撃を見て見たくはあるんですが。

 

その判断は正しい、ガルドエルは高い攻撃力に3体攻撃を誇る。

 

エル:ここで〈閃光刃の印〉ただ、マックスには天運が1点足りない……!

クロード:持って行け!!

エル:ではダメージは69点の炎熱だ!!

GM:うぉっ痛っ!

 

続くのは敵の弓兵。GMは少し考えたが、こうムーブする。

 

GM:ヨハン、お前さえいなければー!

ヨハン:こっち!?

 

1D6回避のヨハンは回避できるわけもなく命中。だが。

 

クロード:〈闇夜の帳〉カバーリングするな。

GM:だよねー。

2発のダメージは見事止められた。-20点がなければ強力な敵なのになー。

 

エドワルド:ここで決めるぞ!!〈疾風剣の印〉命中は17!!

GM:なんの2D6が9以上なら回避するわ!! ……8ぃ!!!

エドワルド:〈閃光刃の印〉!!!

 

そして……。

 

ツヴァルト:勝ったな。

ヨハン:そうだな。

ツヴァルト:私としてはカサハにとどめを刺せて嬉しかった。これで仕事は終わりだな。

ヨハン:ああ、礼金は予定の2倍弾みたいのだが。

ツヴァルト:いや、無理してまで払う義理はないぞ。

GM:いえ、実はガルドエルを吸収統治しましたし、あそこはお金持っていましたし、各国の姫を家元に返しまして謝礼も入りましたしね。意外に実入りは良いんですよ。

ヨハン:何より村の復興に役立ててくれ。

ツヴァルト:なるほど、そういうことならお言葉に甘えて受け取ろう。

ヨハン:またいつか会おう。

ツヴァルト:ああ。

 

その「いつかまた」が、こんなに近い日になろうとは、お互い思いもしないのであった。

 

クロード:じゃあわしゃ、この国にゃあもう用がないけぇ、置手紙をして去るよ。

内なる声:そうだな、この国は、お前がいるにはもう平和すぎる。……食い足りないんだろう?

クロード:さすがわしの中の声よう分かっとる。

内なる声:ガルドエルにとどめを刺したのはスカッとしたな。

クロード:誰じゃそれ。もう忘れたわ。とりあえずツヴァルトに合流しよう。あいつは戦の種ば持っとる。

 

未練は一切残さない。

次の戦乱、また次の戦乱へ、邪紋使いとはそういうものだ。

彼は、内なる声がいざなうままに、また戦いへと赴くのだろう。

 

GM:さて、ヨハンはこれからどうします?

ヨハン:これからどうなりますかねぇ。

GM:これからはガルドエルも統治しなきゃいけないので、人員は必要でしょうね。何ならエーラムから新たな魔術師を雇うかって話もありますが。

ヨハン:それなら考えがある。

 

エルリッサは言う。「どうしてもですか?」

 

ヨハン:はい、私はここを辞そうと思います。後任は才能のある男です。問題はないでしょう。

エルリッサ:何故か伺っても良いでしょうか?

ヨハン:私は力に対して、力で対抗してしまった。私の信念においてそれは本当は良くないことです。私は、次こんなことがあるときは、力で対抗しない人間になりたい。

 

エルリッサはその言葉をかみしめ、言う。

 

エルリッサ:あなたは、さらに厳しい道を歩もうというのですね。そのようなことを言うのなら止めるべき言葉はございません。行きなさい。

ヨハン:はっ、ありがとうございます。

エルリッサ:当てはあるのですか?

ヨハン:とりあえず、放浪している仲間がいるので、彼女を当たろうかと。

 

ヨハンは、どこともなく旅に出た。

彼が、その道で大成するかどうかは知らない。

 

エルリッサ:必ず、生きてまた会いましょう。

ヨハン:必ずや。

 

だが、この約束は破られることはないだろう。

 

GM:エドワルドはエルリッサとともにいます。

エドワルド:はい。

エルリッサ:すべては終わった。なので、約束通り私の聖印を、この国を受け取ってはくれないだろうか。

エドワルド:勿論。私はそれだけの報酬は受け取っている。

エルリッサ:私はずるい女だ。私が背負っているものが重圧であると知りながら、そのすべてをあなたに押し付けて楽になろうとしている。

エドワルド:いいや、君が背負っていたものくらい背負えるさ。それを重荷に感じるようなら、私は君を愛せない。

エルリッサ:ありがとう。……だから、私はこれからあなたを支えていこう。それくらいなら私にもできるはずだから。

 

積年の思いは叶った。二人は唇を重ね合わせ、長い、永い想いを溶かしていく。

この国の未来は明るいだろう。

 

GM:では、エルのもとにメリッサがやってきて、ノックをします。

エル:夜分遅くですよ。淑女が出歩くような時間ではない。扉を開けるのを躊躇します。

メリッサ:開けてください。エル様……。お願いです。

エル:観念して開けます。

GM:メリッサは、君に歩み寄ってきて、こう言いますね。

メリッサ:エル様、私を連れて行ってください。私はあなたとともにならどこへとも行きます。

エル:……仮面を外して言います。すいません、私は、女性なのです。だから、あなたと愛し合うことはできない。

 

GMは、ここでちょっとだけ悩んだ。

……悩んだ末「奇数なら泣き崩れる」と言い、ダイスを振った。出目は6。

 

メリッサ:それでもかまいません!! あなたと一緒にいれるのなら!!

エル:わかりました。私の本当の名はラウラ・エボニーズ。国を追われた身です。

メリッサ:ラウラ様、私の愛する人の名……。

エル:これから私は、兄を打倒し、国を、名を取り戻さねばなりません。

メリッサ:はい、お付き合いします。そして、微力ながら私もお手伝いします。

エル:わかりました。と言って、姫を抱え上げ、そのまま窓から飛び降り、馬にまたがって行きましょう。

 

二人は、新たなる戦いへ赴いた。それは茨の道かもしれない。

だが、それは二人にとって障害になりえないだろう。

二人は、もっと大きなものを乗り越えたばかりなのだから……。

 

エドワルド:良いのか?エルリッサ。

エルリッサ:ええ、彼女はもう大人ですから。……選んだ道を信じましょう。

 

エドワルドはこう思うのだ。エルリッサも、メリッサも決して弱くはない。

人は、支えるものがなければ脆く崩れるのが当然なのだ。

自分にはエルリッサがいて、エルにはメリッサがいる。

これからの戦い、負けるわけにはいかない。

 

グランクレストTRPG「この命に代えても」~完~